「山王門」 石岡第一高等学校 管理・普通教室棟

茨城県石岡市は律令時代に常陸の国の国府がおかれた場所である。敷地は常磐線石岡駅近くの小高い丘の上にある。山王台という地名は国府の守護があったものと推察した。

敷地内の建設場所の制約から、校舎は延長100mに及ぶ4階建てを基本とし、背面に2層を付加する構成とした。
生徒たちは、電車・バス・自転車・徒歩で通学してくる。しかも、通学方法によってアクセス場所が異なる。その動線を整理しながら昇降口に導くことが第一の課題だった。
その解決のために、全面の4層の校舎の中央に2層分の開口を穿ち、背面の2層部分の一部をピロティとし、校舎の奥側に昇降口を設けることにした。2層分の開口、その上階となる3階部分を冠木に見立てて、この校舎そのものを門に仕立てた。そして、地名に因んで「山王門」と呼ぶことにした。
多岐のアクセスをもつ校内動線を整理するために拵えた山王門は毎朝生徒たちを迎え入れ、やがて生徒たちを社会へ送り出す。山王の丘にそびえる石岡一高を特徴づけるものとなった。

私たちの建築は、建築の前提となる様々な課題(顕在化している課題と潜在的な課題)を探り当ててその解答を提示すること、それをエンジニアリングとして具体化するプロセスによって成り立っている。設計プロセスは、比較的論理的である。しかし、冷静に振り返れば、課題の発見は着眼に負うし、方針設定も客観的な主観である。そして、解答の仕方も私たちの意思の表出である。
言い換えれば、主観を客観化し、その建築が目指すべき方向性を意思決定する。その意思の強度が建築の実現につながると確信している。

住所
石岡市大町石岡1-9
竣工
2014年06月
建築面積
2,328.29㎡
延床面積
5,490.93㎡
構造規模
鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造 地上4階建
エイプラス・デザインとの共同企業体による設計

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