「森羅万象」 野々市市立図書館 学びの杜ののいちカレード

石川県野々市市は金沢市の南西に位置する。比較的狭い市域に5万人を超える人が住む。カレードは野々市市の中央にある。

施設の愛称カレードはKaleidoscope(万華鏡)に由来する。ワンルームの開架スペースは、インテリアを映し出すステンレス鏡面の天井に覆われている。そこに蓄積された知識・情報や訪れた人たちを映し出しながら、季節や天候や時間帯によっても異なる表情を表わす。この天井が流動化する様相を写し込みながら、豊かさを増幅させる。
そもそもこの施設に求められたものは、知識・情報を蓄積し提供する図書館と市民が様々な活動を展開する市民学習センターを融合させること、そして、中心市街地ににぎわいを創り出すことであった。
後者に対しては、子どもから高齢者までに親しまれる場を目指しながら、既視感のない空間を提供することで若い世代を呼び込むことを意図した。
前者に対しては、ワンルームの開架スペースの周囲にスタジオを配置して開架スペースからアクセスするようにした。図書館と市民学習センターを併設するのではなく、両者を密接不可分な関係をつくりだした。
外観は内部空間の構成がそのかたちとして立ち現れている。屈曲する屋根が季節や天候や時間帯によって、あるいは見る角度によって異なる色合いを見せる。

いつもそこにある。そして、つい足を向けたくなる。けれども、うちもそとも、いつも同じではなく、何かが違う。少し大げさにいえば、図書館は森羅万象の記録である。図書館の潜在的なあり方を視覚化したひとつの姿である。

建築は地面に固定される。建築における床は擬似的な地面である。人間が建築において「こと」を為すのは、人間自らの身体を置く床においてである。外界から囲い取られて建築化されることによって、内部の床は安全で快適にコトを為すための人工の地面を獲得することが、常に私たちの大きな課題となっている。

住所
石川県野々市市太平寺4丁目156
竣工
2017年11月
建築面積
4,806.99㎡
延床面積
5,695.76㎡
構造規模
RC造一部S造 2階建て

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