「暮らしが花ひらく生活都市をより豊かに彩る拠点」 江南市布袋駅東複合公共施設

本施設は鉄道が高架化されて駅東西の分断が解消し、都市化に向けた周辺道路網の整備が図られ、今後20年の間に様々な世代が暮らす街へと変貌する布袋駅周辺地域において、市立図書館を中心とする複合公共施設と民間施設が共存し、「暮らしが花ひらく生活都市をより豊かに彩る拠点」となるものである。

公共施設は今後発展する駅東地区への起点となる東駅前広場に面して配置し、来訪者や帰宅する市民を迎える江南市の南の玄関口となり、布袋駅の新たな顔とすることを意図した。共存する民間施設は、敷地北側の都市計画道路から駐車場へスムーズに出入りできるように東側に配置し、公共施設と連結するようにした。ふたつの施設は、市民の皆さんのより豊かな生活に資する利便性を備えながら、新たなまちの華としての一体感を創った。

公共施設の設計に際しては、ふたつのことを大事に考えた。
ひとつめは、これからの江南に相応しい華のあるデザインを纏うことだった。熱負荷の低減とともに直射日光を遮蔽して快適な室内環境を確保するために、駅に面するファサードはアルミエキスパンドメタルのシェイドで覆い、イベントホール正面の正方形の開口を象徴的に挿入した。伝統的な竹細工の繊細さと符合させながら、日常的な施設のカジュアルさと洒落た気分を併せ待ち、これからの江南市に相応しい華やいだイメージを付与した。

ふたつめは、公共施設と民間施設の良好な関係性と複合する公共施設の4つの機能をエントランスホールで合理的に結節することだった。エントランスホールを介して、東駅前広場から民間施設や駐車場までの自由な往来を可能にした。また、4層の吹抜の中に上階への階段・エスカレータ・エレベータの縦動線を集約し、上層の図書館・保健センター・子育て支援センターの雰囲気がこの導入空間に溢れ出すようにした。
住所
愛知県江南市北山町
竣工
2023年03月
敷地面積
9,080.99㎡
建築面積
2,072.42㎡
延床面積
7,496.92㎡
構造規模
S造 4階建て

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